柿の葉寿司の特徴



柿の葉について

 

 

柿の葉寿司の特徴といえば、その名前が表しているように柿の葉で寿司を包んでいるということです。柿の葉寿司の発祥の地である五條や吉野地方では、柿の葉というものが非常にありふれたものであったことが、その独自の押し寿司である柿の葉寿司を創造することになったのです。

 

 

柿の葉にはビタミンCやタンニンが多く含まれています。特にタンニンは防腐剤の役目を果たす効果があることが知られいますが、それだけではなく、血液の循環を良くして血圧を抑える作用もあるために、高血圧や動脈硬化の予防にも効果があるといわれています。

 

 

柿の葉寿司に使用する柿の葉は、実は渋柿の葉の方が良いということです。それは、渋柿の方が抗菌作用のあるタンニンの含有量が多いためなのです。柿の葉寿司に使用する新葉は大体5月下旬頃に取ることが出来ます。しかし、それが11月には紅葉し、その後は次第に枯れていくことになります。

 

 

したがって、柿の葉がない冬場はどうするのかといいますと、塩漬けした柿の葉を使用するのです。冬期に使用する柿の葉は、8月頃葉っぱが一番しっかりとしてきた時に塩漬けしていきます。冬になったらそれを順番に水洗いしていき、塩気を抜いてから使用するわけです。

 

 

ただし、塩気は完全には抜けないために、すし飯の塩分を加減して味の調整を行なっているのです。つまり、初夏の柿の葉は瑞々しい青葉であり、秋には鮮やかな紅葉となり、冬には渋い塩漬け葉となるわけで、柿の葉にも季節による楽しみというものがあるわけなのです。